Sunday, April 15, 2012

文革と儒教思想の希薄化

    今週見た「大地の子」の中で、一心が労働改造所で日本語を勉強していたことが発覚されたせいで、批判会で非難された。一心を助けようとした黄書海は一心が日本語を習っていたのではなくて、張旭(ちょうきょく)の草書体(そうしょたい)を模写していたと主張した。張旭は唐の書家であったが、書体は分かりにくいため、封建思想の代表として批判された。一方、明治以後の日本では、楷書(かいしょ)を『正式な書体』に位置づけ、行書(ぎょうしょ)を『日常的に用いる筆記体』と見なして教育を進めながら、草書は『非日常的向けの書体』として愛好されている。では、なぜ中国は自分の伝統文化を捨てるのか。答えは文化大革命である。

(文革中の批林批孔運動のポスター)
 1973年から1976まで、中国では「批林批孔運動(ひりんひこううんどう)」が全国規模で展開された。
 名前が示すように、「批林」は毛沢東の後継者であった林彪(りん・びょう)の批判であり、「批孔」は孔子及び儒教の否定であった。この運動の影響は今の中国社会でも残っている。日本に帰化した元中国人の評論家である石平によると、「この(批林批孔運動)結果、中国では論語の心や儒教の精神は無残に破壊された」。石平は「愛日主義者」で、問題発言もよくしているが、私は彼の文革の影響についての意見に賛成する。文革による儒教思想の希薄化のせいで、昔の美徳は喪失されてしまった。例えば、「親孝行(おやこうこう)」、つまり、よく孝を守る振る舞いは儒教の考えによる重要な徳目で、現代の韓国と日本でまだよく行われている。しかし、最近中国では、老人への介護をネグレクトしたり、まだ虐待したりするなどの社会現象が次々と現れている。特に、老人がまだ生きている時はちゃんとお世話しないのに、老人がなくなった後、すぐ遺産相続で争う家族が多いそうだ。そして、一人っ子政策もあるので、老人よりも子供を一番大切にする家族も少なくない。その上、急速な都市化が進んでいるため、地元の田舎から離れて、北京や上海などの大きい都市に引っ越す若者は毎年一千万人ぐらいの程度で増えている。この結果、「留守老人」と呼ばれる田舎に残された老人たちの生活は厳しい社会問題になりつつある。30年前の文化大革命が今でも深刻な問題を起こしているのはとても怖いと思う。

3 comments:

  1. 私はよくフーさんの意見を賛成しています。今の中国の社会に、特に若者にとって伝統道徳がなくなりつつあると思います。それは大変怖いです。一人っ子政策のせいで、若者は普遍的に自己中心になって、そして昔より老人によく対応した伝統もなくなったと思います。孝というのは本当に中国社会が千年前からずっと相続してきた思想だが、今もなくなりつつあります。文化大革命のせいで崩壊した思想はたくさんありますが、伝統道徳の損失は一番残念だと思います。

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  2. 文化大革命関連の記事を読めば読むほど、文化大革命が中国人の生活や価値観にどれぐらい膨大な影響を与えた事件なのか分かるようになります。数千年間の伝統が十年間に過ぎない文化大革命で変化したというのは信じにくいぐらいです。韓国にはまだ儒教の影響が残っています。その中には親孝行のように良い影響もありますが、男尊女卑のような悪習もあります。だから、韓国人の中には儒教の発祥地でももう断絶になったの風習をどうして韓国は守っているのかという非難の声もあります。

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  3. いつも授業で文革の事を読む時に中国人に何かのコネクションを感じます。文革の事実から、歴史を勉強して意識する価値が分かります。

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