Tuesday, May 8, 2012

日本の自衛隊は本当に「自衛」だけだか?


      二週間前は星野一の「ああ祖国よ」という短編小説を読んだ。アフリカの小国 パギジア共和国が日本に宣戦布告し、米軍払い下げのボロ船、それもたった2隻の漁船程度のものに乗って日本を攻めてくるという話だ。最後に、パギジアの軍艦 が日本に上陸した後、開戦せずに終戦した。そして、パギジアの代表者たちは補償金をもらい、最高の待遇を受けた後満足して帰国した。しかし、ある小国がまた宣 戦布告して来た。
    この小説が書かれたのは1985年で、ちょうど日本のバブル経済の(バブル期)の始まりだった。インフレが蔓延している経済において、人々の物欲はます ます増えた。そして、国家や団体の利益よりも個人の享楽を一番大切にしている時代だった。この社会的な文脈で、作者は「ああ祖国よ」のような皮肉な作品を 書く必要を感じたのではないだろう。
「ああ祖国よ」の中の日本は経済的な強国だが、政治的な弱者である。アフリカの小国からどんでもない宣戦布告されても、一生懸命相手をなだめるしかなかった。なぜかというと、日本の自衛隊は先に敵国を攻撃することは憲法によって禁止されている。しかし、名目上はそうだが、実際、自衛隊はポスト冷戦期の1990 年代から、国連平和維持活動などのため、海外派遣が行われたこたがある。これ以降、国連平和活動を維持する名目で、九二年にカンボジア、九三年にモザンビー ク、九四年にザイール、九六年に中東ゴラン高原、九九年に東チモールに自衛隊が派遣された。だから、この小説が書かれた時から近年まで、自衛隊の活動の 範囲はずっと大きくなって来ているのだ。これを見ると、最近中国で広がっている「日本軍国主義復活論」も理解できるだろう。
    では、小説で書かれたように、日本が緊急状態になっても、アメリカから助けてもらえない可能性があるか?私はあると思う。なぜかというと、日本の緊 急状態がアメリカにとっても同じように「緊急」だとは言えないからだ。近年、アメリカと中国は、ますます経済的に依存しあっており、アメリカは中国への配 慮で日本を完全にサポートしない可能性もある。

3 comments:

  1. この作品が書かれたのがバブル時代でしたね。私もこの小説を読みながら、何か「戦争なんかお金(賠償金)で処理したら良いじゃない」のような社会風刺を感じましたが、やはりこの小説が書かれた時代的背景の影響だったのかもしれません。

    自衛隊の海外派遣と言うと、韓国でも自衛隊の東チモール派遣決定で大騒ぎになったことがありました。戦闘のための軍隊を派遣するのではないから大丈夫ではないかと言う意見も確かにありましたが、ほとんどの韓国の言論も中国と同じように「日本軍国主義の復活か」と心配していました。作家がこの作品を書いた時、もう自衛隊の海外派遣が活発だったとしたら、作家はどんな意図でこの小説を書いたのでしょうか。やはり日本には正式の軍隊が必要だという意図だったのでようか、又は自衛隊の活動が拡大になっていくのを風刺したかったのでようか。作家さんに聞いてみたいですね。

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  2. そうですね~日本の自衛隊は今世界でイラク戦争にも入ったし、アフリカで活動していることもよくあります(戦争ではない活動ですが)、それは「国連平和維持活動」と言いますが、言い訳だけで外国と軍事活動の交流を続けているかもしれません。

    そして、日本は長い間に軍隊活動が禁止されたので、今本当に戦争に対する戦う気があると思います。尖閣諸島の漁船問題が発生したあと、日本人のウェブで「反撃しよう」という言い方もあります。でもいま日本の軍国主義はまだ復活できないでしょう。日本の軍事力が回復する前に、ずっとアメリカに経済的にも政治的にも軍事的にも頼り続けるしかないと思います。アメリカは協力しないと、お金は唯一の解決方法になるのではないでしょうか。

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  3. フーさんが説明したようにこの小説が書いた時代はバブル経済の始まりだったという事は面白いと思います。「ああ祖国よ」は皮肉によって社会批判をしている小説として、軍事だけでなく日本人の物欲を批判していると私は思いますね。

    フーさんの「アメリカから助けてもらえない可能性があるか」に対して、ないと思います。そもそもアメリカは日本の軍縮を求めていたから、緊急状態になって日本の手伝わずに日本を捨てたら、必ず世界中に非難したり禁輸したりされると思います。

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